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『為替』とは?
為替があるから現金を運ばなくても決済できる
「為替」とは、現金を直接やり取りすることなく、銀行や金融機関を通じてお金を決済する仕組みのことを指します。例えば、ネットショッピングで商品を購入した際に代金を銀行を通じて振り込むことがありますが、これが「為替取引」と呼ばれます。
また、公共料金を銀行から自動引き落としする設定も、日常的に使われている「為替」の一例です。このように、私たちの生活では知らず知らずのうちに為替を利用しており、現金を運ぶリスクや手間を省いています。
為替の種類
為替には「内国為替」と「外国為替」という2つの主要な種類があります。ここではそれぞれについて簡単に説明します。
- 内国為替:国内でお金をやり取りする
- 外国為替:外国とお金をやり取りする

上の図のように、東京の丸緑商事は、大阪の月石商事から1個100万円のダイヤを10個仕入れました。このため、丸緑商事は月石商事に1千万円を支払わなければなりません。
そこで、丸緑商事は自社がいつも利用しているA銀行に1千万円を預け入れ、
月石商事が利用しているB銀行に1千万円の送金依頼をかけます。
このやりとりの間、1千万円の入ったトランクを人手で運ぶという訳ではありません。
実際には、すべての銀行は日本の中央銀行である日本銀行に当座預金(企業や個人事業主が業務上の支払いに利用する預金)用の口座を持っているので、その中でA銀行の口座からB銀行の口座へお金が移されます。
1千万円を預かったB銀行は、月石商事の口座にそれを支払い、月石商事は1千万円を受け取ります。
これが、「内国為替」のしくみです。
外国為替のしくみ
内国為替について前述しましたが、最近では『為替』といえばほぼ「外国為替」を指していることが多いです。

上の図のように、東京の丸緑商事がニューヨークのウルトラ社から1個1000ドルのダイヤを1000個仕入れました。このため、丸緑商事は代金1000ドルをウルトラ社に支払わなければなりません。
そこで、丸緑商事は自社が利用しているA銀行に100万ドルに相当する円を預けて、ウルトラ社の利用している米国のC銀行に送金するように依頼します。
このとき、円とドルの交換比率(為替レート) が1ドル150円だったとすると、100万ドルを支払うのに必要な金額は
1ドルあたり150円×100万ドル=1億5千万円
となります。
依頼を受けたA銀行は、預かった1億5千万円を100万ドルに変えて米国のC銀行に送ります。C銀行は、ウルトラ社の口座に100万ドルを支払います。
この際も実際に現金を人手で運ぶことなく、国内銀行の海外支店や契約を結んだ外国銀行の預金口座を利用して、お金のやり取りが行われます。
これが「外国為替」の仕組みです。
このように、外国為替も基本的な仕組みは内国為替と同じです。
ただ外国為替の場合、支払い先が海外なので、円をドルなどの外貨に換える「通貨の交換」という作業が必要になります。これが内国為替との大きな違いです。
為替とは?よくある質問まとめ
為替を子供向け、中学生向けに説明すると?
「為替」をさらに簡単に、そしてわかりやすく説明すると、現金を使わずにお金をやり取りする方法のことです。たとえば、あなたが何かを買う時、現金を直接渡さずに銀行を通じてお金を送ることが「為替取引」となります。
中学生にわかりやすく説明すると、為替は「お金を使うための便利な仕組み」であり、「現金を持っていなくても、インターネットを使って物を買ったり、公共料金を支払ったりできる」仕組みと言えます。
為替とは現金のことですか?
いいえ、為替は現金そのものではなく、現金を使わずにお金をやり取りする方法のことを指します。銀行を通じて行われる電子的な決済方法です。例えば、インターネットショッピングで商品を購入する際に、現金を直接手渡すのではなく、銀行を通じて決済が行われます。これも「為替」の一例です。
為替が高いとはどういうこと?
「為替が高い」とは、ある通貨が他の通貨に対して強くなっていることを意味します。例えば、1ドル=150円という為替レートがあるとき、ドルが「高い」とは、円に対してドルの価値が強い、つまり円を多く支払わなければ1ドルを手に入れられないことを指します。逆に「為替が安い」とは、同じ1ドルを手に入れるために必要な円が少なくなることです。
為替取引とは?
外国為替取引(FX取引)とは、異なる通貨を交換することで利益を得る取引のことです。為替取引を行うことで、例えばドルを円に交換したり、その逆を行ったりすることができます。