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外国為替市場とは?基本的な仕組みをわかりやすく解説
外国為替市場(がいこくかわせしじょう)とは、異なる国の通貨を売買する市場のことです。株式市場のように物理的な取引所があるわけではなく、銀行や証券会社などの金融機関がネットワークを通じてリアルタイムで取引を行います。
外国為替市場は「眠らない市場」とも呼ばれ、24時間取引が行われています。なぜなら、世界各地で市場が開いている時間が異なり、各国の市場が順番に開くことで、ほぼ常にどこかの市場で取引が行われているからです。主要な市場は以下の3つで、「世界三大為替市場」と呼ばれています。
- 東京外国為替市場(アジア市場)
- ロンドン外国為替市場(ヨーロッパ市場)
- ニューヨーク外国為替市場(アメリカ市場)
円をドルに換えるなど、通貨を交換する取引を「外国為替取引」といい、銀行などの金融機関は外国為替市場で取引を行っています。
インターバンク市場(銀行間取引)
外国為替市場の取引の大部分は銀行間取引(インターバンク市場)で行われます。銀行や証券会社、ヘッジファンドなどが参加し、大口の通貨取引をリアルタイムで実施します。
例えば、ある銀行が1ドル=150円で100万ドルを購入したい場合、同じレートで売りたい銀行が見つかれば取引が成立します。このように、外国為替市場では売り手と買い手が直接または仲介業者(外国為替ブローカー)を通じて取引を行います。
ダイレクトディーリングとブローカー取引
- ダイレクトディーリング:銀行同士が直接取引する方式。コストが低く、スピーディーな取引が可能です。
- ブローカー取引:外国為替ブローカーが仲介し、取引を成立させる方式。大口取引に向いていますが、手数料が発生します。
外国為替市場の時間と取引の流れ
外国為替市場は24時間取引が行われていますが、主に以下の3つの時間帯に分かれます。
- 東京市場(アジア時間):日本時間の午前9時~午後6時
- ロンドン市場(ヨーロッパ時間):日本時間の午後4時~午前2時
- ニューヨーク市場(アメリカ時間):日本時間の午後10時~午前7時
このように、東京→ロンドン→ニューヨークと市場が開くことで、常にどこかの市場で取引が行われています。ただし、土日や祝日は外国為替市場が休みとなり、銀行の営業日でないと取引ができません。
今日の為替レートの確認方法
外国為替市場では為替レートがリアルタイムで変動します。今日の為替レートを確認するには、以下の方法があります。
- 金融機関の公式サイトやアプリ(三菱UFJ銀行、みずほ銀行など)
- FX会社のリアルタイムチャート(GMOクリック証券、DMM FXなど)
- ニュースサイト(Yahoo!ファイナンス、ロイターなど)
外国為替市場における「円相場」
「外国為替市場 円相場」とは、日本円と他国の通貨(主に米ドルやユーロ)との交換レートのことを指します。円高や円安の動きは、日本経済や輸出入企業に大きな影響を与えます。
- 円高(1ドル=140円→130円):円の価値が上がり、輸入品が安くなる。
- 円安(1ドル=130円→140円):円の価値が下がり、輸出企業にとって有利。
外国為替市場と外国為替相場の違い
「外国為替市場」と「外国為替相場」は似たような言葉ですが、以下のように異なります。
- 外国為替市場:通貨が取引される場所(市場)
- 外国為替相場:市場で決定される通貨の交換レート
例えば、「外国為替市場で円相場が円高方向に動いた」という表現がよく使われます。
外国為替取引の例
前述した通り、外国為替市場の取引の大部分は銀行間取引(インターバンク市場)で行われます。
外国為替取引は、取引の当事者同士が納得すれば、どんな為替レートでも取引が成立する「相対取引」です。
では、実際にどのように取引されるのでしょうか。
ダイレクトリーディング(DD)
上の図で、例えばA銀行は持っている円を1ドル=150円で100万ドルに換えたいとします。そこに、100万ドルを円に換えたいB銀行が現れ、1ドル=150円で取引が成立しました。
このとき、1億5千万円(1ドルあたり150円✕100万ドル)がA銀行からB銀行へ、100万ドルがB銀行からA銀行へ移動します。
資金移動は、取引が成立した日の翌々日(スポットと呼びます)に行われます。また、外国為替市場での取引単位は原則として100万ドル単位になっています。つまり、100万ドルの倍数でない120万ドルや250万ドルでは取引しにくいわけです。
外国為替市場における取引の基本は、このように銀行をはじめとした金融機関同士が専用端末や電話を使って直接取引をする「ダイレクトディーリング(DD)」です。その時々刻々と変動する為替レートの情報は、電子取引のスクリーン上や、ロイターなど通信社の報道画面で配されています。
ブローカー取引
ダイレクトディーリングの他に、仲介業者である「外国為替プローカー」を経由する「ブローカー取引」があります。

例えば、外国為替ブローカーはA銀行から売買注文(欲しい通貨の種類、取引金額、希望レートなど)を聞き、多くの金融機関の中からリクエスト内容に合う注文を出しているB銀行に取り次ぎます。ここでお互いが合意すれば、取引は成立です。
このように、外国為替ブローカーは銀行同士の仲介をすることで売買仲介手数料を得ています。
近年ではコストダウンの必要性や、インターネットなどの発達で取引しやすくなったこともあり、外国為替ブローカーを通した取引が減り、金融機関同士のダイレクトディーリングが大勢を占める傾向にあります。
まとめ
外国為替市場は世界中の通貨をリアルタイムで取引するグローバルな市場です。世界三大市場である東京・ロンドン・ニューヨーク市場が24時間つながり、休みの日を除いて取引が続きます。
- 外国為替市場は異なる国の通貨を取引する市場であり、リアルタイムで取引が行われる。
- 世界三大為替市場は「東京」「ロンドン」「ニューヨーク」で、それぞれの市場が開く時間帯が異なる。
- 外国為替市場は24時間開いているが、土日や祝日は休みとなる。
- 銀行間取引(インターバンク市場)が主流で、ダイレクトディーリングやブローカー取引がある。
- 今日の為替レートは金融機関のサイトやFX会社のチャート、ニュースサイトで確認できる。
- 円相場は日本経済に大きな影響を与え、円高・円安の動きに注意が必要。
- 「外国為替市場」は通貨を取引する市場のことで、「外国為替相場」はその市場で決まる交換レートのこと。
今日の為替レートや円相場を知ることは、輸出入企業や投資家にとって非常に重要です。外国為替市場の仕組みや時間帯を理解し、上手に活用しましょう!